おふくろの味はレシピがない
突然だがおばあちゃんは料理が得意だった
両親は共働きで育休がない時代だったので、母親は産後すぐ復職し、おばあちゃんが私を育ててくれた
それもあってか私はおばあちゃんっ子で大好きだった
おばあちゃんは料理が得意で、それ以外にも手芸や習字など創作意欲にあふれる人だった
今でも実家のあらゆるところにおばあちゃんの創作物が溢れている
また、おばあちゃんはよく話す人だったので話したことなどは今でも思い出す
おばあちゃんは私が26歳のときに亡くなった、癌だった
そしておばあちゃんの手料理は、おばあちゃんが亡くなってレシピごと消えた
そもそもレシピはおばあちゃんの頭の中でしか存在していなかったからである
おはぎ、じゃがいもを潰して砂糖で味付けしたふかし芋、らっきょう、梅干し、味噌など時間がかかるものをつくるのが得意だった
それがもう食べられない
似たものものは作れるかもしれないが同じものは作れない
おふくろの味というのはレシピがないものである
現在妊娠6ヶ月、5ヶ月後にはこの世に子どもが生まれる
子どもが生まれて、大人になってから「あの料理食べたいな」と思ったときに自分で作れるようにレシピを綴っていきたいと思う
そしてその「味」が家族の一つの思い出になれば嬉しい
うちはまだ「家庭の味」が少ない
ネットで見たレシピを見様見真似で作っていて、一度作って終わりのものもたくさんある
いつでもネットにはレシピが転がっていて、それ通りに作るとある程度美味しいものは作れる
今まではそれでやってきた
これだけレシピが溢れている時代でも唯一無二のレシピ「家庭の味」は存在していてそれは作っていきたいし、受け継いでいきたい